ブランディングとCIとの違い
CIは企業側論理であり、ブランディングは、顧客視点の戦略である。
CI(コーポレート・アイデンティティ)
CIは、過去(1980年代)アメリカを中心にブームとなった、統一的で明確な企業メッセージを発信しようという試みである。
CIの手法は、企業メッセージを統合するという意味あいでは素晴らしい手法であるが、あくまでプロダクトアウトという企業側論理での発想から商品開発・生産・販売といった活動の統合を図るものであった。
顧客視点での独自性のある商品価値定義ではないため、自ずから単なる自己満足に終わってしまいがちであった。
ビッグチャンスになると多くの企業がCIを取り入れ、シンボルマークの策定やキャンペーン広告などを行ったが、何も顧客に伝わらない状態に陥ってしまった例は多い。多くの事例は、企業業績が上昇しないまま資金だけを投入だけを投入すると言った残念な状況であった。
CIとブランディングの明確な違い
CIは企業側論理である。
企業側が持っている理念や商品の個性を企業側が考えて世の中に出すことである。
消費者に対して、競合他社から見分けがつく選ぶ要素を明確化し、企業側論理で外に向けてアピールするということである。
ブランディングは、顧客視点の戦略である。
企業にとって重要な価値や資産がブランドであり、ブランドを向上させる事が企業業績を上げる事になるという考え方に基づく活動がブランディングである。
つまり企業業績を上げるために、ブランド戦略が存在するという考え方である。
CIは企業主体の考え方であり、ブランディングは、お客様視点に重点を置いた考え方であると言える。
ブランディングの根底には常に顧客があり、顧客視点で物事を考える戦略がブランディングの基本である。
ブランド・エクイティの形成
ブランディングにより競合他社との明確な差別化が図れるようになり、
ブランディングの最重要課題《顧客にとっての価値》が鮮明になってくる。
お客様との信頼感や親近感が増す事により、単なる消費者からオピニオンリーダーにもなりうる大切な顧客に進化し、ブランド・ロイヤリティなどを含むブランド・エクイティが形成されていく。
※ブランド・ロイヤリティ
銘柄忠誠度や銘柄忠実度などと訳すが、消費者が商品購入時に同じ銘柄を反復購入する程度のこと。
顧客がそのブランドに対してどの程度の執着心を持っているかを示す概念。
※ブランド・エクイティ(資本)
あるブランドが持っている資産価値で、企業にとっては重要な財産である。
・ ブランドの認知度が高いかどうか。
・ ブランドが高い品質という評価があるかどうか
・ ブランドから質のいい連想が出来るかどうか。
・ このブランドが欲しいと言うロイヤリティがあるか。
ブランド・エクイティの形成により、価格プレミアムを実現し、企業活動をより円滑にし有利な展開が図れ、競合他社に対しても競争優位に立つ事が出来る。
ブランディングの成功により
ブランディングが出来る事により
・ 商品の訴求力・価値が向上。
・ 消費者との信頼関係が深まる。
・ 競合他社に対して優位に立てる。
・ 中長期的戦略として継続的に実践。
・ 消費者の関心を高め購買を促進。
金銭に換算されない模倣不可能な企業価値が生まれる=ブランド化