ブランディングについて ブランドとして醸成させるために、ブランディングの核をなすコア・コンピタンスを顧客目線で考え、コアコンピタンス・ストーリーを作成する。


ブランディングとは

ブランディングは価値戦略

ブランディングを一言でいうと、価格だけの競争に陥らないように、競合他社との差別性を明らかにした、本来の価値での競争力を高めるための戦略であると言える。

ブランド戦略の一番大切な部分は、他社との差別化部分が明示的に分かりやすく表現できるかにかかっている。 どういう事で差別化できるのか、何を持って素晴らしいと言えるのか。 それらを言葉で表現出来てこそ、ブランディングが可能なのである。

この差別化部分を言葉で言い表せない場合はブランディングは非常に困難となるが、持っている強みや特長などに対して、あらゆる視点から差別化要素を探し出し、分かりやすく表現していく作業を念入りに実践するべきである。



ブランディングとは

・ ブランドとして醸成させるための活動。
・ 価値のある商品を構築するための活動。

ブランディングの条件

・ 自社商品の特長を明確にし、文章化する。
・ 競合他社商品との違いを明確にし、文章化する。
・ ネットを中心とした戦略を策定。
・ 中長期的戦略として継続的に実践。
・ 閉鎖的でなくオープン・ブランディングを取り入れる。


何故今、ブランディングか?

不毛な競争が繰り広げられ、売れない時代になっている。
選ばれるブランドとしての地位を築く重要な時期だからこそ、より高い競争優位性の確保が急務になっている。

ブランディングは企業イメージを上げることよりも、競合他社に対する競争優位という実体を作リ上げる事を優先するべきである。

独自性のあるメリットを前面に出す事は必然となった。

・ 単なる「こだわり」はすでに全くお客様には通じない。
・ 独善的で思いこみの強い「どうだ」感はもう嫌味でしかない。
・ ビジネスで生き抜くには、いつでも明確でわかりやすいメリットが必要。
・ 具体的に明確にわかりやすく独自性のあるメリットを伝えられるか。

コア・コンピタンス

コアコンピタンス(競合他社に真似られない独自の強み)は、コーポレート・ブランディングの要素として非常に重要である。
コアコンピタンスはブランディングの核をなすものであり。その特徴的な自社の強みをストーリーに仕上げ、コアコンピタンス・ストーリーを作成する。 自社の強みをわかりやすく伝えていく為のストーリーの必要性は高い。

自社のしっかりとした基盤を礎に、コア・コンピタンスを顧客目線で考える事である。 顧客が何を望むのか。顧客が必要としているものは何なのか。そこにどんなストーリーを期待しているのか。コアコンピタンス・ストーリーは、顧客に感動を与え、経営に生かす事が出来る。

ブランディングは最強の営業ツール

ブランディングは最強の営業ツールであり、それは大手企業だけのものではない。インターネットの時代になり圧倒的な情報量になっているからこそ、中小企業でも企業規模ではない戦いが出来る土壌が醸成されている。ブランディングを真剣にするべき時は「明日こそやる=素晴らしい未来」ではなく「今やる=大きなチャンス」なのである。

ブランディングの役割は、企業の事業内容や商品、お客様に対する想いや姿勢などを、正しく伝えられることや、結果として利益体質を強化できる事などである。それらをまとめる事による、意志決定の源泉が形になって見えてくる事も大きな利点である。

ブランディングをする事により、取引先に正しく会社のことを知ってもらえることや、企業のCIや社歴、創業の想いなどをまとめる事などにより、経営の焦点がはっきりと見えてくる事こそブランディングの素晴らしい成果である。

インターネットが普及した現在、企業が現実に接するお客様と、ウェブサイトを通じて接するお客様には、もう差はない。企業ブランディングの成功は、大きなウェイトを占め始めたウェブに対してブランディングが出来るかどうかにかかっている。

再び注目を集める「ストーリーテリング」

SNSの普及により「ストーリーテリング」が再び注目を集めている。
テレビ東京の「ガイアの夜明け」やNHKの「ブロフェッショナル仕事の流儀」などの 情報・ドキュメンタリー系の番組は、真実や本音を探る感動を呼ぶ物語であり、深く掘り下げる内容から視聴者の共感を呼ぶ。

このように、一般的な商品やこだわりなどの限られた領域だけでなく企業全体の事業活動を見据えて、統一感を持って魅力的に物語として分かりやすく共感を呼べるように伝えていく事が「ストーリーテリング」である。

独自性を持った競争力、商品の魅力、商品を作るまでの過程や企業スタンスなどを統合し、整合性のある統一感を持たせた映像として企業ブランディングに繋げていく手法が、最新の「映像によるストーリーテリング」である。

様々な動画文化の大いなる発展と普及により、「映像によるストーリーテリング」は単にブランディングを補完するアイテムの一つではなく、ブランディング過程と融合し醸成していく手段という大きな存在となってきた。

SNSは諸刃の刃

SNSブランディングという言葉もあるが、SNSを安易に考える事は避けた方がいい。 SNSのシステムそのものは非常に素晴らしく、まさにソーシャルネットワークを 作り上げるのに最善のシステムだと言って過言ではない。

しかし、SNSは使い方によっては諸刃の刃である。他愛無い薄っぺらい使い方では大きなリスクを伴い、経営に影響も与えかねない。

SNSを毎日使っている人たちの中には、そんなことまで書いていいのかと疑いたくなるような事を平気で書いたり、独り言のつぶやきだけれども、それは世の中に発信すべき事ではないと思えるような書き込みもかなりある。

発信すべき事ではないと思われる文章そのままを、本人は渋谷のスクランブル交差点で、拡声器で読み上げられるだろうか? ネットとは「拡声器」で不特定多数に向かって大声で話し掛けているのと全く同じである。

数年前から企業の採用担当者は、採用予定者のSNSをチェックする事はよく知られている。その中には採用予定者の生き様が、本音が、性格が、考え方が、よく出ている。採用面接など必要ないのではないかとさえ思える内容にも度々出食わす。

「いいね!」が最初は「本当にいいね!」だった。しかしそのうち「惰性のいいね」になり、「気が重いいいね」になり、そして疲弊が始まる場合もある。SNS疲れが始まり、抜ける怖さも手伝い、それがやがて仕事にも影響しかねない。

築き上げてきた大切な信用が次第に脆くなり崩れて行く。気付かないうちに砂上の楼閣へと化していく。
キャパオーバーになった時のSNSは悲惨である。

SNSを企業ブランディングに使うのも、恥をさらして経営に影響を与えるのも、本人任せの自由ではあるが、少なくとも前向きの共感が得られるものにだけはしたい。 SNSにはそれぞれの特長や得意分野がある。それらを生かしながら、素晴らしいシステムとして有効に有意義に使いたいものである。