知っておくべき《消費者の層》 キャズム(chasm)を超える力がブランディングの大きな価値だと言える。


消費者には《層》がある


イノベーター理論

イノベーター理論とは社会学者であるロジャースが提唱した理論であり、商品購入態度により、消費者を5つのグループに分けたものである。ロジャースはイノベーターとアーリーアダプターの合計16%が商品普及のポイントであるとし、16%の消費者層を越えて商品が売れ始めると急激に売れて上昇するということを唱えた。

消費者の商品購入態度を5つに分類



キャズム理論

16%を超えてから売れ始めるとしたイノベーター理論に対して、マーケティング・コンサルタントのムーアは、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「深く大きな溝=キャズム」があるとした。

アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間には、容易に越えられない高い壁(キャズム)が存在する。新製品が思うように売れないのは、このキャズムを越えられないからである。



アーリー・アダプターが求めるのは価値。話題や利便性を重視する。
アーリー・マジョリティは安心感が必要な層。実用性を重んじる。製品の信頼性や快適性が前提となる。

アーリー・マジョリティ(慎重な多数派)が買わない理由は。

商品や会社を

・ 誰も知らないし、聞いた事もないし
・ 商品の特長もわからないし
・ 検索にもヒットしないし
・ 内容が値段に見合うのかどうかわからない?

という問題点がアーリー・マジョリティへ到達させる阻害要因となるが、これをどのように解決しブランディングしていくかである。

上記の問題点を解決出来ない限り、キャズムは決して越えられない。

どんなに自信がある商品だとしても、イノベーターとアーリーアダプターの合計16%だけがターゲットでしかない状態で、企業活動を強いられ続けるのである。

ブランディングはこれらの問題点を解決に導く。

コア・コンピタンスが明確になり、差別化されるべき企業活動や商品の特長など、本来伝えたい価値が伝えられるようになってくる。消費者との信頼関係が深くなり、商品の訴求力を高め、価値を向上させてくれ、価値的優位を実現してくれる。

これがブランディングの本来の価値である。